タイ古式マッサージとは....

2500年の歴史と伝統に育まれたタイ王国独自の術「ヌアボーラン」。仏陀の時代から今日まで脈々と受け継がれてきたタイの伝統的な医療の一つです。その特徴は、人体に流れるエネルギーラインである 『セン』 を刺激することにあります。センを刺激する事で、センの周辺に集中する神経や血管が刺激され、リンパ球の活性と増加・血液の流れの促進・身体の痛みの緩和・人間が持つ自然治癒能力・免疫力を高めるなどの効果があるとされています。

マッサージの手法は指圧、整体、矯正、ストレッチングと様々なバリエーションがあります。タイで発展した伝統的なマッサージは、病気の治療法として、臨床的に実践されてきました。タイは仏教の国として知られていますが、「ワット」と呼ばれるタイの仏教寺院が、かつて庶民のコミュニケーションの中心地でした。「ワット」は仏教の教えを学ぶ場であるのと同時に、マッサージ法を学ぶ場でもありました。

このようにヌアボーランは、仏教と深い関係を持ちながら発展してきたのです。マッサージをする前に「ワーイ」と呼ばれる合掌を行い、健康と幸せに祈りを捧げますが、これが寺院で発展を遂げた名残なのでしょう。そこには、ただ気持が良くなり、健康になるだけでなく、相手を思いやるという仏教の教えが込められていたのです。 


※センとはエネルギーが通る道を指します。食べ物、空気から得たエネルギーがセンを通って全身に運ばれることで人間はいきているため、その流れが滞ると、病気になったり体調が悪くなったりすると考えられています。